綾波レイ:エヴァンゲリオン

綾波レイのは声優は林原めぐみ。英語版吹き替えはAmanda Winn-Lee。

プロフィール
生年月日:不明
所属:第3新東京市立第壱中学校2年A組
年齢:14歳
血液型:不明
エヴァンゲリオン零号機パイロット(ファーストチルドレン=最初の被験者)

綾波レイは色白で青色の髪と赤い瞳を持つ細身の少女。生年月日などに至るまで記録は全て抹消されており、唯一14歳であることのみが劇中で明かされた個人情報である。「クール」「大人しい」と言うよりも、ほとんど感情を表に見せず、無口で無表情。口数も少なく、他者への興味が希薄だが、ネルフ司令・碇ゲンドウに対してのみ心を開いていた。後に交流を持ち、親身に接してくれた碇シンジに心を開いていく。それに伴い、自我の芽生えと感情も僅かながらに見せ始める。

エヴァンゲリオンに置ける最大のキーパーソン(およびメインヒロイン)として、重大な役割を果たすことになる。物語の始まる直前にあったエヴァ零号機の暴走事故により重傷を負っており、序盤は包帯姿で登場している。

他者との交流などはほとんど見られないが、碇ゲンドウには絶大な信頼を寄せている様子が度々描かれており、出会ったばかりの頃のシンジが、父であるゲンドウを信頼していない事を吐露した場面には強い怒りを示し、シンジにビンタを喰らわせた。一方、シンジに対してはヤシマ作戦での会話や、起きた出来事から、以降「碇くん」と呼んでおり、彼に対する心境の変化を示している。後もシンジの言葉を意識したりしている場面が見られ、シンジ自身もレイには良く声をかけるようになった。劇中では彼女自身が心配、怒り、戸惑い、驚きなど、感情の表れと思える表情を見せるほとんどの場面で、碇シンジが関わっていた。

レイが直接交流を持った人物に多少なりとも感情や人間性を見せているのは、ゲンドウを除けばシンジを始めとした他のチルドレンのみである。鈴原トウジがフォースチルドレンに選出された際には、彼が危険な事に合う事でシンジの心がまた傷つくのを心配するようになっており、他者との交流による心の成長を伺わせていた。

「弐号機パイロット」である惣流・アスカ・ラングレーからは、EVAを操縦することだけが自分の存在意義であるという、自分と一致する部分を感じるためか、近親憎悪に近い異常に敵意を向けられており、「ファースト」「優等生」もしくは「人形(機械人形)」と呼ばれる事が多かった。本来、年齢も同じで一番近い距離にある同性なのだが、初対面時にやや高飛車な挨拶をしたアスカに対し、以後もほとんど関心を見せず、アスカからはエヴァパイロットとしてゲンドウからの優遇やシンジを巡る女としての嫉妬心を向けられていた。しかし、アスカのシンクロ率の低下が顕著に表れ始めた際には、レイなりにアドバイスと思える言葉をかけているが、アスカには、平手でビンタを喰らい拒絶されている。劇場版での精神世界の中でも、シンジとアスカの激しいやりとりの最中、シンジにアスカのことを分かろうとしたのかを問い詰めている。

日常生活においても他者との交流を持たず、極端な感情を示すことが少ない少女だが、庵野秀明監督によれば彼女は「感情がない」のではなく「感情を知らないだけ」とのこと。


生活
古い集合団地(新劇場版・序では「第3新東京市市営住宅第22番建設職員用団地6号棟」)の402号室に独り住まい。部屋は刑務所の独房のような、コンクリートに包まれた殺風景なものとなっている。カーテンは昼間から閉め切られており、僅かに光が差し込む程度で、こういった環境で統一されているのは、レイの育った場所であるネルフ内にある人工進化研究室3号分室のイメージが、彼女の深層心理に強く残っているためである。

自室には生活用品や家電製品なども必要最低限のものしか置かれてなく、装飾品や、調度品の類は一切存在していない。唯一、零号機の起動実験時に割れてしまったゲンドウのメガネを、ケースに入れて大切に所持している。私服なども着用している場面はなく、多くの場合学校の制服で活動していた。

「肉は嫌い」と話しており、これは肉を全く受け付けない監督庵野秀明の個性を写したものといわれている。一度ラーメンを食べに行った際には、「ニンニクラーメン チャーシュー抜き」を注文していた。なお、自身が趣味として認識しているかは不明だが、読書をしている姿が度々描かれている。

用途・効果・目的は一切不明だが、赤木リツコから薬の投与を受ける描写がある。





真相
綾波レイの誕生については謎が多く、脚本決定稿では2010年に現れたレイについて「7歳に見えるが5歳」という記述があることから少なくとも2005年に誕生し、本来の人間より早く成長していることがわかる。

小児期の容姿を見た赤木ナオコが一目でユイを想起したほど似ていることから、肉体はユイのコピー体(クローン)的なものと考えられている。魂は一つしか存在しないがその「イレモノ」である肉体は多数存在するため(魂の宿っていないイレモノは、パイロットなしでエヴァンゲリオンを起動するための「ダミーシステム」のコアとして活用されている)、何らかの原因でレイが死を迎えた場合、魂を新しいイレモノに移し変えることで復活する。記憶に関しては、セントラルドグマで定期的にバックアップを取られていた為、「前の肉体で最後に保存した記憶」、までが次の肉体に受け継がれるものの、感情面は保存される事はない。結果として(わずかな)記憶は受け継がれるものの、それに伴う感情というのは受け継がれず、発生もしない。

作品中には3人のレイが登場する。1人目のレイはNERVがゲヒルンから改名する以前、赤木ナオコに対してゲンドウの陰口をそのまま本人に伝え、激昂した彼女によって扼殺されている(漫画版ではこの事件とナオコの死の詳細が描かれた)。シンジが初めて出会ったのは2人目のレイであり、23話のアルミサエル戦においてレイが自爆死した後に登場したのが3人目となる。先述したように、この時点では彼女にはシンジに心を開きつつあった感情は消滅していた為か、彼に対する接し方が劇中序盤のようになっている。

劇場版においてゲンドウの思惑により、アダムとリリスの融合による補完計画の手段とされるが、直前にシンジの存在を感じ取る。アダムとリリスと同一化したレイはゲンドウに対し、自らを「人形じゃない」と告げ彼の下を去り、シンジの下へと向かう。碇ユイによれば、レイはこの時点で「シンジの願いを叶える存在」と成り得ていた。


特徴
髪や目の特異な色を除き、その外見や容姿はシンジの母・ユイに酷似している。先述した初号機からユイをサルベージする過程で生み出されたクローン的存在であることに、その原因があると考えられている。

生殖能力は持たないようで、テレビ版第拾四話におけるレイのモノローグでは自らを「血を流さない女(=月経がない)」と表現している。

テレビ版最終話で描かれたパラレルワールド、通称「学園エヴァ」では、底抜けに明るく多弁であるという全く異なる性格のキャラとして登場し、ファンに衝撃を与える。そのキャラクターが、林原めぐみが演じた『スレイヤーズ』の主人公・リナ=インバースに似ていたことから、ファンの間では“リナレイ”と呼ばれた。


漫画作品
原作アニメに最も近しい貞本義行による漫画版(貞本エヴァ、貞本版)を含み、レイのキャラクターは基本的に同一のもので統一されている場合が多い。

最初から「碇くん」と呼んでいたほか、ヤシマ作戦以降シンジに対して以前よりも親密な態度を示す描写が加えられており、後には彼女の中でシンジの存在がゲンドウ以上に大きくなっていった事が、彼女自身のモノローグで語られている。同様に2人目のレイが自爆し、そのさまを目前にしたシンジは「君を失いたくない」と悲しみ、シンジとレイの絆が互いにかなり深かったこともわかる。

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エヴァ
貞本エヴァ
パラレル作品
『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd』(漫画:林ふみの)では、先述したリナレイのキャラクター性が基本となっており、出生の経緯が謎に包まれてるなど、背景は原作と同様の設定ではあるものの、感情表現も豊かで明るく活発な性格となっている。

『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画 (漫画)』(漫画:高橋脩)ではオリジナル版とリナレイを合わせた印象で、「リナレイより大人しく、原作アニメより社交性が高い」といったキャラクターとなっている。『鋼鉄2nd』と近しい。

『新世紀エヴァンゲリオン 学園堕天録』(漫画:眠民)では原作に近いキャラクターとなっているが、シンジの他にアスカやカヲルとも良好な人間関係を構成している。また、多少の天然キャラを思わせる性格も見え隠れしている。


新劇場版
『新劇場版:序』においては、彼女の登場シーン、及び性格や人格には旧世紀版から特に変更は見られない。ただしゲンドウと冬月の会話において、レイとシンジとの邂逅自体が仕組まれた物であった事が示唆されている。またシンジ同様に、旧世紀版における呼称「ファーストチルドレン」は用いられず、「第一の少女」と呼ばれている。


ゲーム作品
SEGAからセガサターン用ソフトとして発売されていたゲームシリーズを始め、多くのゲーム作品では原作の印象を忠実に再現したキャラクターとして登場しており、イメージもほぼ同一となっている。

『新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画withアスカ補完計画』など、原作の印象とは全く異なるレイをメインに据えたキャラクターゲームも登場している。

『新世紀エヴァンゲリオン2』ではレイが死ぬと何度でも新しいレイが現れる。経験に乏しい3人目以降のレイは精神的に未熟とされており、デフォルトのレイとパラメータや傾向に差異が大きい。


キャラクター設定への影響
無表情で感情の起伏が乏しく、どこかしら「お人形」を彷彿とさせるキャラクター像は綾波が誕生する前にも存在したが、あまり目立つものではなかった。しかしそれらを全て体現しながらも物語の枢軸に据えられた「綾波レイ」というキャラクターの登場で、後のアニメのみならず、ゲーム、漫画、ライトノベルなどのキャラクターデザイン、造型に大きな影響を与えた。このような現象で生まれたキャラクター、または同系統に属するキャラクターは「無口系」「綾波レイ系」「無感情系」などと呼ばれる。

アニメ雑誌『月刊ニュータイプ』において、アニメヒロインを分析する企画記事が書かれた際、アニメ黎明期(1970年代〜)から既に確立されていた大別して4種のヒロインに加え、90年代に入って新規に開拓された「5番目」のタイプのヒロインが綾波であったと解釈し、体系付けていた。

また、エヴァブームの最中にはイメクラでも人気があり、「綾波始めました」の看板を出した店もあった。綾波レイはヒロインの一人(もしくはメインヒロイン)というだけではなく、印象的な容貌とクールな性格から『エヴァンゲリオン』という作品を象徴するキャラクターになり、ファンのみならず作品を知らなくても彼女だけは知っているという人も多い。ブーム当時、綾波レイの等身大フィギュアは30万円程度で売り出され、非常に高い支持と人気を得た。

作中で包帯を巻いているシーンがあったところから「包帯と言えば綾波」、「綾波といえば包帯」のイメージを一部のファンに植えつけた。